メールフォームはこちら

078-341-3684

  1. 神戸湊川法律事務所
  2. Q&A
  3. 行方不明者に対する訴訟(公示送達)

Q&A

行方不明者に対する訴訟(公示送達)

最終更新日:2014/09/05

 私は、人に建物を貸しているのですが、建物を貸した相手が行方をくらましてしまい、どこにいるかわかりません。このような人を相手に訴えて、建物の明け渡しを求めることはできますか。

以前「自宅を留守にしていることが多い者に対する訴訟」のエントリーで記載したとおり、訴状が送達されなければ裁判を開始することはできません(民事訴訟法138条)。今回のような行方をくらましてどこにいるかわからない場合には、訴状を受け取ることはあり得ませんので、通常の送達(特別送達)は到達しません。
    就業場所がわかっている場合には、就業場所に対して送達すればよいですが、就業場所がわからない場合はどうすればよいでしょうか。この場合、付郵便送達(民事訴訟法107条)を利用することはできません。なぜなら、付郵便送達は、住所地に居住してのは明らかであるが、相手方が受け取らない(受け取ることができない)場合に利用する手続だからです。
    法は、このようなときのために、公示送達という制度を用意しています。公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してするとされており(同法111条)、公示送達をされた相手方は、送達の存在を知ることはほとんどありません。そのため、相手方の不利益というのが大きく、公示送達を出来る場合というのも、当事者の住所、居所その他送達すべき場所がしれない場合等に限定され(同法110条1項各号)、しかも、主観的に送達場所を知らないというだけでは足らず、通常の調査方法によっては送達場所が判明しないことが必要とされています。そのため、弁護士としては、現地調査の他、住民票や戸籍謄本の提出を行いますが、住民登録上の住所あるいは本籍が不明の場合は区役所などで不在住証明書や不在籍証明書を提出します。
    なお、公示送達の効力発生は、掲示を始めた日から二週間を経過することによって、その効力を生じるとされています(112条1項。もっとも、2回目以降職権によってなされる公示送達に関しては、掲示をなした翌日に効力を生じます)。

  弁護士 上 田  貴  ueda@fujikake.lawyers-office.jp