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Q&A

自宅を留守にしていることが多い者に対する訴訟

最終更新日:2014/06/18

訴えを提起したい相手方の住所は判明しているのですが,不在がちで,裁判所から送られる訴状を受取らない可能性が高い場合,訴える側としてはどうすればよいでしょうか。

民事訴訟法138条1項は、「訴状は、被告に送達しなければならない。」としています。送達は、原則として、「郵便又は執行官によってする」とされており(民事訴訟法99条1項)、実務上、送達は「特別送達」という特殊な郵便でなされるのが一般です。これは書留と同じように郵便局員の手渡しで配達され、郵便局が送達報告書を裁判所に届けるのですが、不在の時は、配達員は不在連絡票を郵便受けに入れて郵便局に持ち帰ってしまいます。保管期間中に取りに来なかった場合は、保管期間の最終日くらいにもう一度配達に来て、それでも不在だと、そのまま裁判所に戻されてしまいます。そうすると、不在等で訴状を受け取らない者に対しては、138条1項の条件を満たしていませんので、そのままでは裁判をすることが出来ません。
    そういうときには、就業場所に対して送達することができないかということを考えます(民事訴訟法103条2項)。しかし、訴える側の人間が、相手の就業場所を知らないことはよくあることです。そういうときのために、法は付郵便送達という方法による送達を用意しています(民事訴訟法107条)。付郵便送達とは、書留郵便に付して行う送達のことで、相手方が受け取るか否かにかかわらず、その発送の時に、送達があったものとみなされます(同条3項)。
    付郵便送達は、上記のように相手方が受け取らなくても、裁判が開始されるのですから、相手方に与える影響は大きいです。ですから、裁判所としても、付郵便送達を行うか否かを慎重に判断し、相手方が居住しているのが間違いないと確認できた場合のみ付郵便送達が行われることになります。そのため、弁護士は付郵便送達をしてもらうために現地に趣き、表札の有無、電気やガスのメーターの状況、郵便受けの状況、洗濯物が干されているか等を確認しそれを写真に残したり、近所の人に聞き込みを行ったりします。そして、その内容を裁判所に対し上申書という形で提出し、裁判所に付郵便送達を実施してらうことが実務上の取り扱いとなっています。

   弁護士  上 田   貴  ueda@fujikake.lawyers-office.jp