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Q&A

病院のクレーマー

最終更新日:2018/01/28

Q

  総合病院の事務長をしております。先日、当院に、大腿骨骨折の治療のために入院中の患者様(82歳 女性)にリハビリをしていただき、担当者が車椅子で病室に戻ってベッドに寝かせようとしたところ、誤って患者様を床面に落してしまいました。担当者は,直ちに主治医に報告するとともに、主治医の指示により、落下による身体の損傷の有無を確認するために、医師による診察やレントゲン検査などを実施しました。幸い、治療中の部位を含め、この事故による身体の異常は認められませんでした。もちろん,この事故については、ご家族様にも包み隠さず報告をして謝罪しました。

ところが、事故から約1週間経過した頃、患者様の長女の夫と称する男性(50歳くらい)が、毎日のように当院を来訪され、「事故のショックで義母がふさぎこんでいる」「事故を起こした担当者に土下座させろ」「院長を出せ」「義母の面倒を一生この病院でみろ」などと受付の女性に申し向けてきており、受付担当職員が怖がっているだけでなく、外来の患者様にもご迷惑をおかけしていて、対応に苦慮しています。

A

 ちょっとした落度につけ込んで、企業や商店,役所や学校にまで出向いて、いわれのない抗議を執拗に繰り返すいわゆるクレーマーのご相談が増えてきています。

一口にクレーマーといってもいろいろなタイプがあり、一括りに説明することは困難ですが、その多くは、金銭の支払その他の優遇的取扱いの獲得を目指していると推測されます。クレーマーの被害を受けた側は、そのちょっとした落度がきっかけとなっているので、当初の段階から立場的に不利な状況に置かれており、クレーマーのペースで話が進んでしまうのが通例です。しかも、クレーマーの多くは、周到に準備をして攻撃を仕掛けてくるのに対し、被害者側は突然の攻撃に無防備であり、不意を突かれてなすすべもなく相手の言いなりにされてしまうことも少なくありません。

クレーマー対策もタイプに応じてケースバイケースですが、共通の対策としては次のようなことが言えると思います。

1 クレーマーは気の弱そうな個人を狙ってきます。決して、1人で抱え込もうとせず、組織としてあるいは関係者全員で対応するという姿勢を示すことが大切です。

2 クレーマーの要求に対して、即座に回答しないこと。「あなた様のご要望は、××ということですね。わかりました、私の独断では返答いたしかねますので、××と相談の上、後日回答させていただきます。」というような対応が望ましい。

3 クレーマーに対して安易に金銭を支払うことによって解決しようとしないこと。クレーマーとの関係でも、場合によっては当方の落度に関して金銭支払による和解をすることもありえますが、それは終局的解決ができる場合であって、その場逃れの一時金の支払いなどは断じてすべきではありません。

4 クレーマーによる攻撃を受けていると判断した場合には、速やかに弁護士などの専門家に相談すること。特に、脅迫的言動がある場合や業務妨害行為にまで及ぶ場合には警察に相談するのがよいと思います。

 

神戸湊川法律事務所 代表弁護士  藤 掛 伸 之 fujikake@lawyers.jp