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消費者契約法で無効になってしまう契約条項について

最終更新日:2018/11/08

Q 当社はスポーツジムを運営しています。入会する会員には、会員規約を交付し、署名してもらっています。規約には、「当ジムは、会員が当ジムの施設利用中に生じた盗難、怪我その他の事故について、一切責任は負いません。」と規定しています。

この度、フィットネスバイクのハンドルねじが緩んでいたため、利用した会員が怪我をするというトラブルが発生したのですが、規約に基づいて、賠償責任は発生しないと考えて良いのでしょうか。

 

A ~ご質問の規約条項は、消費者契約法で無効となってしまいます。~

今回のケースは、設備点検不十分の可能性がありますが、その場合、民法では、ジム側の施設管理に過失(不注意)があったとして、怪我をした会員に対して、治療費支払などの損害賠償責任を負うことになります。しかし、ジムの会員規約には、「一切責任を負わない」とあるので、この規約に基づいて賠償責任が否定されるのかが問題となります。

ジム利用申し込み時に会員に対して会員規約を交付し、署名をもらっているので、ジムと会員との間の権利義務関係は規約の内容で規律されます。契約で合意した内容は、特約として、民法の規定より優先されることが原則です。しかし、それでは、事業者の希望する契約内容に、立場の弱い消費者が合意せざるを得ない場面も出てきます。

そこで、消費者契約法という法律で、事業者と消費者との間の契約(消費者契約といいます)では、一定の消費者に不利になる条項は無効になると定められています。無効になる例の1つとして、今回のケースのような、一切の損害賠償責任を否定する条項があげられています(消費者契約法8条1項1号、3号)。そのため、ジムの規約のうち「一切責任を負わない」という条項は無効、つまり、条項がなかったのと同じ扱いをされることになります。そして、ジム側は、民法による損害賠償責任を負うことになります。

消費者契約法では、無効になってしまう条項例をいくつか挙げていますが、それに加えて、消費者の利益を一方的に害する度合いが著しい条項は無効とするという規定もあります。自社の契約書に、問題となりうる条項が含まれていないか、一度チェックをお勧めします。

弁護士 浦 本 真 希 uramoto@fujikake.lawyers-office.jp