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Q&A

養育費等の基準が変更されました

最終更新日:2020/02/10

Q

養育費や婚姻費用を定める基準が変更されたそうですが,増額となるのでしょうか。

 

A

夫婦が離婚する際に取り決める子供の養育費や別居の際に生活費などを支払う婚姻費用について、最高裁判所は社会情勢の変化などを踏まえて算定基準を16年ぶりに見直し、令和元年12月23日付の研究報告書で公表しました。現行の基準では低額すぎるとの批判があり、今回の基準見直しにより,月1万~2万円程度の増額となるケースが増加すると見られています。

離婚訴訟で養育費を決める際には、裁判官らの研究会が平成15年4月に公表した「簡易算定方式」に基づく算定基準が使用されています。夫婦の収入と子供の年齢や人数に応じて、子供と離れて暮らす親が支払うべき養育費の目安が表になっており、機械的に迅速に計算できることから実務の現場で広く定着してきました。

しかし、従来の算定基準は公表から16年が経過し、「税率改正や物価変動を反映していない」といった批判がありました。このため、最高裁判所は平成30年頃から算定基準の見直しに着手していました。

新しい算定基準ではスマートフォンが子供にも普及し、通信費の支出が増加するなど近年の家庭の支出傾向を踏まえ、計算方法を見直したほか、計算の基礎となる税率や保険料率を最新のデータに更新しました。その結果、夫婦の収入や子供の人数にもよりますが,多くのケースで月1万~2万円程度増額されることになりました。ただし、シミュレーションでは,夫と妻の年収に差がないケースなどでは,変更前と大差ない結果となる場合もあります。

養育費は子供が成人するまで支払うのが一般的ですが,令和4年4月の改正民法の施行で成人年齢が18歳に引き下げられることとの関係では,大半の子供は18歳段階で経済的に自立していないとして、養育費の支払いは現行通り20歳まで支払うべきだとしています。

なお,新基準が公表された令和元年12月23日より前に、当事者間での合意や調停、裁判等で養育費等を取り決めていた場合には,今回の基準改定により,当然に養育費等が増額されるということはありませんので注意が必要です。

詳しい,算定基準は最高裁判所のホームページに掲載されています。http://www.courts.go.jp/about/siryo/H30shihou_houkoku/index.html

 

神戸湊川法律事務所 代表弁護士  藤 掛 伸 之 fujikake@lawyers.jp