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Q&A

債権回収のための情報取得が可能に

最終更新日:2020/03/06

Q

裁判の判決で支払が命じられた債権について、法改正により、債務者の財産状況の調査がしやすくなったと聞きました。どのような手段があるのでしょう。

 

A

改正された民事執行法が2020年4月1日から施行になります。債務者の財産調査に関する改正点として、(1)財産開示制度の見直し、(2)法務局、市町村、日本年金機構、銀行等からの情報取得手続きの新設があげられます。

(1) 財産開示制度とは、裁判所による判決等、強制執行ができる債権を有している場合に、裁判所に申し立てることで、債務者を裁判所に呼び出して、宣誓のうえで自身の財産について陳述させて、債権回収のための財産を特定する制度です。これまでも、債務者が正当な理由なく、財産開示期日に出頭しなかったり、虚偽の陳述をした場合は、過料(30万円以下)の制裁規定がありましたが、実際には不出頭で終了することが多く、制度の実効性は乏しいといわれていました。今回の法改正で、科料から、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金という刑事罰に引き上げられました。また、これまでは公正証書によって強制執行が可能となっている債権では、財産開示制度は利用できませんでしたが、その制限も撤廃されました。例えば、公正証書にて養育費の支払を合意し、強制執行も可能と定めているときは、今後、財産開示制度を利用できます。

(2) 第三者からの情報取得手続きは、裁判所への申立により、第三者に、債務者の財産情報の提供を命令できる制度です。例えば、銀行等の金融機関に対して、債務者の預貯金や株式、国債等の保有情報の提供を求めることができます。この命令申立の要件として、強制執行を行ったが完全な弁済に至らなかったこと、もしくは、把握している財産に強制執行を行っても完全な弁済を受けられないことの疎明が必要です。

法務局に対しては、債務者名義の不動産が存在しているか否か及び存在する場合の不動産特定情報の提供を受けることができます。命令申立の要件として、金融機関への情報提供要請の要件に加えて、財産開示制度を事前に行うことも要請されています。

債務者の給与に関する情報を、住民税を管理する市町村や年金機構等に提供するように申し立てることができるのは、不動産に関する情報取得の要件に加えて、養育費等の債権や、生命・身体の侵害による損害賠償請求権といった限られた債権を有する者に限られています。

このように、各手続きを行う場合、要件の該当性を慎重に検討する必要があるため、弁護士へのご依頼をおすすめします。

 

弁護士 浦 本 真 希 uramoto@fujikake.lawyers-office.jp