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同一労働同一賃金の適用

最終更新日:2020/04/08

運送業を行う当社では、正社員のトラック運転手に対しては住宅手当を支給していますが、有期契約社員のトラック運転手に対しては住宅手当を支給していません。令和2年4月1日より、同一労働同一賃金が適用されるため、上記取り扱いを改めるべきでしょうか。

 

平成30年6月、国会にて、同一労働同一賃金の規定を盛り込んだ「短時間労働者の雇用管理の改革等に関する法律」改正法が成立しました。

改正により、上記法律の名前を「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」(パートタイム・有期雇用労働法)に改め、契約社員等の有期雇用労働者を新たに対象としました。

なお、パートタイム・有期雇用労働法の「同一労働同一賃金」に関する部分は、令和2年4月1日施行されますが、中小事業主については令和3年4月1日が施行日となっています。

同法8条は「事業主は、その雇用する短時間・有期雇用労働者の待遇のそれぞれ」について、「当該待遇に対応する通常の労働者の待遇との間」において、「不合理と認められる相違を設けてはならない」と定めています。

そして、同条は、ア職務の内容、イ当該職務の内容及び配置の変更の範囲、ウその他の事情を考慮すべき事情の例に挙げており、これらのうち「当該待遇の性質及び当該待遇を行う目的に照らして適切なものを考慮」して、通常の労働者(正社員)との待遇差が不合理な相違といえるかを判断することになります。

なお、「不合理な待遇の相違の禁止」には次の2つの意味があるとされています。

1 職務内容など前提となる事情が同じ場合には、同一の待遇が求められる(均等待遇)

2 職務内容など前提となる事情が異なる場合には、一定の格差も許容されるが、前提事情の違いに応じた待遇が求められる(均衡待遇)

では、上記事例のように、同一の業務を行う正社員と有期の契約社員との間で、住宅手当の給付に待遇差があるのは不合理な相違といえるでしょうか。

一定の条件を満たす労働者について住宅にかかる費用を補助するために支給するという住宅手当の性質・目的に照らし、住宅・居住について同一の状況ある場合には、同一の支給をすることが求められますが、正社員のみが転居を伴う配転が予定されているという事情から、契約社員に比較して住宅に要する費用が多額となり得るとして、契約社員に住宅手当を支給しないことが不合理といえないとした判例もあります。

したがって、正社員のみが転居を伴う配転が予定されているといった事情が無い限りは、取り扱いを改めた方がよいと思われます。

弁護士 上 田  貴 ueda@fujikake.lawyers-office.jp