メールフォームはこちら

078-341-3684

  1. 神戸湊川法律事務所
  2. Q&A
  3. 印鑑不要の電子契約の導入

Q&A

印鑑不要の電子契約の導入

最終更新日:2021/03/09

当社では、これまで書面の取り交わしで契約を締結してきましたが、電子契約への切り替えを検討しています。そもそも電子契約とはどのようなものでしょうか。また、電子契約を導入することでどのようなメリットがありますか。

 

従前、契約締結は、書面に押印をして行う方法が一般的でした。

しかしながら、近時、「ペーパーレス」や「働き方改革」に注目があつまり、また多様な電子契約サービスが市場に登場したこと、新型コロナウイルスの流行による出社自粛等を背景として、多くの企業が電子契約の導入を検討しています。また、取引先が電子契約を使用しており、そこからの要請で電子契約の導入を検討することもあるかもしれません。

電子契約とは、電子的に作成した契約書を、インターネットなどの通信回線を用いて契約の相手方へ開示し、契約内容への合意の意思表示として、契約当事者の電子署名を付与することにより契約の締結を行うものをいいます(公益社団法人日本文書情報マネジメント協会電子契約委員会)。

電子署名とは、印影や手書き署名に代わって、当該ファイルが署名者本人が作成したものであることと、そのファイルの内容が改変されていないことを証明する技術的措置をいいます。これにより、脱ハンコが可能となります。

電子契約には、電子署名を誰が行うかによって、「当事者署名型」と「事業者(立会人)署名型」と大きく2つの種類に分かれます。

「当事者署名型」というのは、その名のとおり契約をする本人たちが電子署名を行うものです。ただ、電子署名を行うには、あらかじめ認証局に登録しておく必要があるなど手間がかかります。

これに対して、「事業者(立会人)署名型」というのは、電子契約サービスの提供事業者が、利用者の指示に基づいて電子署名を付すものです。利便性が高いため、今普及している多くはこの「事業者(立会人)署名型」です。なお、「事業者(立会人)署名型」については、従前、電子署名としての有効性に疑義もありましたが、令和2年7月と9月に政府見解が示され、一定の要件のもとで、「本人による電子署名」として、真正に成立したものと推定され(電子署名法3条)、利用者の電子署名にあたるとされています。

電子契約を導入するメリットとしては、以下のようなものがあります。

・印紙税の削減

従来の紙の契約文書は課税文書になりますが、契約を電子文書で取り交わす場合は課税対象とならず、印紙税を大幅に削減できます。

・契約事務作業の削減

紙の契約文書では、パソコンで起案した契約書をプリントアウトし、製本し、押印をして、郵送するという手順を踏みますが、手間や経費がどうしてもかかります。また、印鑑が必要となるため、出社が必要となります。

電子契約では、契約書のやりとりはインターネット上で行われるため、これらの手間が省けます。単に郵送費等の経費だけでなく、電子ファイルをアップロードするだけなので、大幅な時間短縮にもつながります。

・ペーパーレス化による省スペース等

法人税法上、契約書は、7年間保管しないといけないとされていますが、紙の契約文書ではその保管スペースが必要になります。また、過去の契約文書を探し出すのにも、倉庫に行ったり段ボール箱を開けたりと非常に時間と労力がかかります。

これに対し、電子契約では契約書は全て電子ファイルとなるので、ペーパーレス化が図られ、保管スペースは必要ありません。契約日付や契約先、契約金額などで検索条件を指定することで簡単に検索、閲覧ができますので、契約書を倉庫に行って探す手間が不要となります。

・コンプライアンスの強化

契約書類の紛失、持ち出しのリスクが減ります。また、電子データベースに契約文書が保管されていれば、例えば不正調査の際に対象部署が、問題の契約書類をどこかに隠すということはできなくなりますので、コンプライアンスの向上につながるといえます。

電子契約にご興味ある方は是非ご連絡ください。

弁護士 上 田  貴 ueda@fujikake.lawyers-office.jp