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同性同士の不貞は不法行為?

最終更新日:2021/05/07

妻の様子が最近おかしいと思い、探偵を用いて調査したところ、驚いたことに、複数回にわたって、見知らぬ同一の女性とホテルに入っていく場面の写真がありました。このように、同性同士の不倫であっても、妻や不倫相手の女性に対し、慰謝料を請求することができるのでしょうか。

 

これまで不貞行為とは、一般的に、配偶者以外の異性と自由な意思で性的関係をもつことをいうとされてきました。

そのため、配偶者が同性と肉体関係を持ったとしても、不貞行為にはあたらないという見解も有力で、実際、同性同士で性的関係を結ぶことが不貞行為にあたらないと判断した裁判例もあります(名古屋地判昭和47年2月29日。ただし、婚姻継続し難い重大な事由にあたるとし、慰謝料の支払義務を肯定)。

しかしながら、最高裁判所は、「民法770条1項1号の不貞な行為とは、配偶者のある者が、自由な意思にもとづいて、配偶者以外の者と性的関係を結ぶことをいい」と定義しており(最判昭和48年11月15日)、配偶者以外の者との表現で、配偶者が同性と性的関係を結んだ場合にも、不貞行為にあたりうる余地を残していました。

これまで同性カップルが珍しかったこともあり、上記論点が問題となることは少なかったですが、近年、自治体で同性カップルを「結婚に相当する関係」と認めるパートナーシップ制度が始めるなど、性的マイノリティ(LGBT)に対する関心が高まり、同性カップルも昔ほど珍しいことではなくなりました。

こうした社会情勢のもと、東京地裁は、令和3年2月、男女間の行為に限らず、「婚姻生活の平和を害するような性的行為」も不貞行為にあたると指摘した上で、同性同士の性的行為で、「既存の夫婦生活が離婚の危機にさらされたり形骸化したりする事態も想定される」として、妻と女性の行為が不貞行為に当たるとの判決をしました。

他にも、令和2年3月には、東京高裁にて、事実婚関係にあった同性カップルの一方が異性と性的関係を結んだ事案につき、「元カップルは民法上の不法行為に関し、互いに婚姻に準ずる関係から生じる法律上保護される利益を有する」として、損害賠償を命じました。

このように、近時、不貞行為をめぐっては、性別にとらわれない司法判断が下されており、上記ご質問の場合でも、東京地裁の事案同様、慰謝料を請求できる可能性は十分あります。

弁護士 上 田  貴 ueda@fujikake.lawyers-office.jp