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Q&A

コインパーキング入出庫時の事故

最終更新日:2021/07/05

自家用車を駐車させていたコインパーキングから出庫させようとして,同乗者にコインの支払いをしてもらい,支払済みの合図があったので出庫させたところ,ストッパーのフラップが下がりきっていなかったため,車輌が損傷してしまいました。フラップが下がるのが,通常より遅かったように思うのですが,駐車場管理会社に損害賠償してもらうことは可能でしょうか。

 

有料駐車場には,駐車料金の収受や入出庫を誘導する係員がいる有人駐車場と,駐車料金の収受や入出庫の管理を専ら機械によって行う無人駐車場とがあります。

有人駐車場で係員が入出庫の誘導をしている場合には,運転者はその誘導に従う必要があり,誘導に従わずに入出庫に失敗したとすればそれは運転者の自己責任になってしまいます。他面,係員が誤った誘導をしたことによって,車輌に損傷が生じた場合には,その従業員とその使用者である管理会社に事故の責任があると言えます。実際に発生する事故では,どちらにも責任があるケースが多いと思われ,その場合には,運転者と管理会社側の過失割合に応じて,損害を負担し合うということになります。

では,最近街中に多数見られる無人のコインパーキングにおいて,その入出庫中に事故が発生した場合にはどうなるでしょうか。

無人ということで,係員がいないのですべて運転者の責任になるかというとそうでもありません。例えば,入出庫を管理するストッパーの機能を有する機械に故障や設置ミスがあったような場合には,それによって発生した事故は、駐車場管理会社に責任があることなります。

では,本件の場合のように,ストッパーとなるフラップが下がりきるのを運転者が見落したことによって事故が発生した場合はどうでしょうか。これに関する過去の裁判例は多くはありませんが,運転者はフラップの上がり下がりを容易に確認することができ,また大抵のコインパーキングには,「出庫の際にはフラップが下がっていることを確認してください」などの注意書きが表示されていることなどから,フラップが下がっていることを運転者が確認しなかったことによって事故が発生した場合には,運転者の責任になると考えられているようです。

本件の場合には,相談者は,自らフラップが下がるのを確認していないので,原則としてその責任を駐車場管理会社に転嫁することはできません。もっとも,相談者は料金を支払ってからフラップが下がるのが通常より遅かったと感じたと主張していますので,このことはどう評価されるでしょうか。

単に運転者が通常より遅かったと感じただけでは,責任を管理会社側に転嫁することはできませんが,機械の故障によって,実際にフラップの下がり方が異常に遅かったようなケースでは,管理会社側にも責任が発生する可能性があります。ただし,前述のとおり,フラップについては運転者はその上がり下がりを確認するのが原則とされているので,フラップが故障していた場合でも,管理会社の過失の程度に応じた損害賠償の請求ができるにすぎないということになりそうです。

 

神戸湊川法律事務所 代表弁護士

藤 掛 伸 之 fujikake@lawyers.jp