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Q&A

特殊清掃の事実は告知義務あり

最終更新日:2021/10/05

区分所有マンション売買の媒介を依頼されたのですが,当該マンションは,所有者であった老人(80歳)が一人暮しをしていたところ,心筋梗塞のため室内で死亡し,その約2日後に家族によって発見されたという事情があります。この事情は,購入者募集の資料上で告知すべき事項に該当するでしょぅか。

この問題については、今年の5月20日に国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン」(案)という形式で取扱い方法をとりまとめました。

https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000219027

 このガイドライン(案)によれば、物件内での死亡について,告知義務があるのは他殺、自死、事故死その他原因が明らかでない死亡が発生した場合であり、これに対して、自然死又は日常生活の中での不慮の死が発生した場合には、原則として告知義務はないとしています。

ただし、自然死や日常生活の中での不慮の死が発生した場合であっても、取引の対象となる不動産において、過去に人が死亡し、長期間にわたって人知れず放置されたこと等に伴い、室内外に臭気・害虫等が発生し、いわゆる特殊清掃等が行われた場合においては、買主・借主が契約を締結するか否かの判断に重要な影響を及す可能性があるものと考えられるため、原則としてこれを告げる義務があるとされています。

ご相談の件につきましては、ご病気による死亡ですので自然死に該当し、原則として告知義務はありません。また、死亡約2日後に発見されたさのことですので、異臭等の発生も考えられず、特別清掃も必要なかったと思われますので、その点からも告知は不要と考えられます。

このガイドラインは、現在、パブリックコメント募集の手続中ですが、おそらく大きな変更のないまま正式なガイドラインとして公表されて、法律に準ずる行動規範として機能し始めると思われますので、今の段階からこのガイドラインに沿って対処しておけばよいでしょう。

 

神戸湊川法律事務所 代表弁護士

藤 掛 伸 之 fujikake@lawyers.jp